ブラザーズ珈琲物語9

ブラザーズ珈琲物語令和454
初めての挫折

ブラザーズ珈琲は店舗の屋号で社名は有限会社プロテア・ジャパンといい、コーヒー部門だけではなく本々は静岡県川根のお茶、そして健康自然食品など小売り、健康管理に必要な活性水素水製造器の代理店そして、太陽光発電の販売設置代理店等を基本事業としてきたのである。その頃は、総勢20名くらいにはなっていた。

しかし、J君の退社に続き、それぞれが結婚したり家庭や健康状態の都合で退社していき、かなり人数が少なくなっていた。ある日皆は外回りの営業に出かけ私一人がブラザーズ珈琲の店舗に残っていた。お客さんも来る気配がないので、この際コーヒー製造工程を合理化しょうと考えて新しい試みをしてみることにした。これまでコーヒーの生豆を活性水素水での洗浄時手洗いで行っていた。

これにはそれなりの理由があった。先ず活性水素水で洗浄すると、水の粒子が普通の水道水比べてかなり小さいのでコーヒー生豆一粒一粒の奥深く浸透する事が出来、農園での農薬、そして輸入時の消毒などを豆の外部に取り出す事が出来るのである。これが初めにも書いた通りコーヒーを飲むと私の腹痛を起こしていた原因であった。故にこの作業工程だけは手抜きは出来なかった。

しかし、人手が足りない、況してや山陰の冬の水は冷たい。婦人たちの作業には厳しい条件であった。これを何とかしようと思い全自動洗濯機でやろうと思いついた。洗濯機は中古品があったのでこれを使うことにした。勿論野外で使うのでAC100V電源をどこでとるかが課題であった。外壁にコンセントはあるにはあったが、通電していなかった。思案した挙句、室内のコンセントからケーブルを引くことにした。

ところが今度はどのような経路でケーブルを引くかが問題となった。そこで、いろいろ試行錯誤した結果一つの換気扇を止めて、換気扇の吹き出し口からケーブルを取り出し電気を取り出すことにした。何でも必死になって頭を使えば思いつくものだと一人喜びながら作業をしたものだった。室内からケーブルを換気扇の吹き出し口を通過させて外部に取り出す。

外部に回り少し出たケーブルを引っ張り出す作業をしなければならないが、換気扇は壁の最上部に取り付けてあるので、脚立を使ってケーブルを引っ張る必要があった。私は本来左利きだったので右手で脚立の足を持ち、左手でケーブルを引き出そうとしたが、少し力が弱かったのかケーブルは動かなかった。だいぶ腕力が弱って来たかなと思い今度は両手でケーブルを引っ張った。っとその時、両手で思いっきり引っ張ったのでケーブルは出てきたのだが、力が余って、両手は完全に脚立から離れているので完全に空中に吹っ飛んでしまった。

その時間が私には結構長く感じられたが、実際には瞬間的だったはずである。背中からコンクリートの上に叩き付けられ、その瞬間何とも言えない痛みが背骨に走った。私は人生60年間これまでこのような痛みを感じた事はなかった。痛みというより、兎に角、呼吸困難に陥りそして全身脂汗が噴出した。その瞬間、一体何が起きたのか見当もつかなかった。その日は2013131日寒い日であった、此処で仰向けになっていたら大変なことに成ってしまうと思い何とかうつ伏せになろうと試みたゆっくりゆっくりと体を回し時間をかけてうつ伏せになれた。

その時やっと一人の従業員が戻ってきた。大丈夫ですかぁー。見りゃ分かるだろぉと思っても兎に角声が出ない。何とか抱えてもらい部屋まで入る事が出来た。が、何時もはなかなか来ないお客様が3人も一度に来て、コーヒーを飲みたいだの、ジェラードが良いとか、コーヒーの粉が欲しいとか言ってくる。いつもは本当に来店客が少なく悲鳴を上げる状態だったのに何なんだぁぁとお客様が恨めしくなった。従業員に手伝ってくれと言っても、その人は太陽光発電のコンピューター管理しかできなかった。

そうかぁ、それはそうだなと思い返し、社長自ら満身創痍の状態で接客を責任持つことを覚悟した瞬間だった。お客様に心配させてはいけないと思い、ゆっくりと歩きながら、テーブルやカウンターを伝ってコーヒードリップの定位置に辿り着いた。ゆっくり、ゆっくり落ち着いてドリップを済ませ、カップに注いで、テーブルまで運んでお客様に提供する事が出来た。次はジェラードだ、通常は食べやすいように2秒間ほど電子レンジで解凍して提供するのだが今はそんな悠長なことは出来ない。少し硬めですけどぉ、と言って皿の上に置いて提供出来た。

後はコーヒー豆を粉にする作業が待っている。それでも、そろり、そろり豆を計り、粉にして、袋詰めして熱圧着してお持ち帰り袋に入れて渡す事が出来た。そして来客の三人からしっかりと銭を受け取ってから病院まで車で送ってもらった。この車が貨物のワゴン車だったので、腰に響いて来て息が詰まってきた。

苦しくなってきたよ、もう寝るよ。午前1

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